ホテルニューグランド「フェニックスルーム」に潜入!“幻”のレストラン不定期開催
--✄記事タイトルとURLをコピーする-✄—
横浜・山下公園通り沿いに位置する「ホテルニューグランド」は、本館2階の「ダイニングルーム フェニックス」にて“幻”のレストランを不定期にて開催。
開業当時はメインダイニングとして親しまれていた本ルームですが、現在は宴会場として活用しているため、普段はお目にかかれないお部屋のひとつです。
不定期開催中は、そんな希少なお部屋にてクラシカルな雰囲気を感じながらホテル発祥の人気メニューを味わえるということで取材して来たのでご紹介。
ダイニングルーム フェニックスについて
フェニックスルームは、山下公園通り側の入り口からホテルニューグランドに入館し、正面の階段を上がった2階に設けられています。
普段は宴会場として活用しているため、私もフェニックスルームの中に入ったのはこの日が初めてです。
お城を彷彿させるような見事な天井の建築。
ホテルの外から見た際にも目が留まる大きな窓は、旅の旅情を感じてもらいたいという思いから設計され、窓枠や格子の模様は現在も当時のものを使用しています。
メインダイニングとして使用していた当時、お客さんの殆どが外国人客だったことから桃山調と呼ばれる日本風の様式を採用した造りとなっているそうです。
大きな窓からは山下公園や山下公園通りを彩る草花を眺められ、訪問した日は新緑がとても綺麗でした。秋は山下公園通りのイチョウが見頃になるので四季で異なる景色を楽しめるのも魅力です。
お部屋に一歩踏み込むとタイムスリップしたかのような独特な雰囲気、クラシックホテルの貴重な一面を肌で感じることができます。開業当時のホテル外観画像をいただきました!
開業当時のニューグランド
(画像提供:ホテルニューグランド)
フェニックスルームにてホテル発祥メニュー
開業当時はホテルのメインダイニングとしてスタートした「フェニックスルーム」。
当時のメインダイニング
(画像提供:ホテルニューグランド)
当時の雰囲気が伝わってくる貴重な画像も提供いただいたので、当時と現在のフェニックスルームを見比べてみました。天井や柱、窓などが当時のままであるのがよくわかると思います。
当時のフェニックスルーム
(画像提供:ホテルニューグランド)
現在のフェニックスルーム
これまでも宴会のない時期にアフタヌーンティーの提供やティールームとして開放することはあったけれど、フェニックスルームにてホテル発祥メニューを長期に渡って提供するのは初めての試みです。
不定期開催中は、“幻”のレストランとしてフェニックスルームにてホテル発祥グルメのスパゲティナポリタンとシーフドドリア、ハンバーグステーキの3品を食事メニューとして用意。
シーフードドリアは初代総料理長のサリー・ワイル氏が体調を崩した外国人客のために即興で考案された一品で、日本ではこの時に「ドリア」が初めて誕生しました。
さらに「スパゲティナポリタン」もホテル発祥の伝統グルメ。2代目総料理長の入江茂忠氏が接収時代に茹でたスパゲッティに塩・胡椒・トマトケチャップを和えた物を米兵が食べているのを見て、アレンジを加えて生み出した一品です。
そして、ホテルニューグランドには先に登場した発祥グルメの他にもぜひ知っておきたいメニューが「ハンバーグステーキ」です。
今でこそ国民的な食べものとなっているデミグラスソースのハンバーグも昭和初期では珍しく、当時からホテルのメニューにあったことから日本における発祥ではないかと言われています。
今回、そのハンバーグを試食させてもらうとナイフをあてた瞬間に肉汁が溢れ、見たからは想像できないほどの肉肉しいお肉の存在感に驚きました。ジューシーで味わい深く思わず“美味しい!美味しい!”と連呼してしまう、逸品です。
いずれのメニューも1階のコーヒーハウス「ザ・カフェ」にて味わうことはできるけれど、メインダイニングとして使われていた場所で料理を食べられる“今だけの特別な時間”、当時の雰囲気を感じながら食事をより一層楽しめます。
デザートメニューには、ホテル発祥メニューの「プリン・ア・ラ・モード」はもちろん、ピーチメルバやバニラアイスなど人気メニューを用意。
プリン・ア・ラ・モードは過去記事でも紹介した通り、ホテルニューグランド発祥の伝統メニューです。
終戦後7年間、ホテルがGHQに接収されていた期間に将校とその夫人が宿泊し、将校夫人が喜ぶ、見た目にも華やかでボリュームのあるものを出そうと考案された一品です。
本館1階のコーヒーハウス「ザ・カフェ」にて使用しているコルトンディッシュという特殊な器とはまた違う器でプリン・ア・ラ・モードを味わえる点も魅力に思えました。
また、デザートメニューには有名オペラ歌手であるネリー・メルバのために考案された、世界中で愛されている「ピーチメルバ」もラインナップ。
ニューグランドではバニラアイスクリームの上に桃のコンポート、さらに生クリームを添え、それらをラズベリーソースとともに味わえる、ファンの間で長年愛されているクラシックデザートです。
普段は入りたくてもなかなか入ることのできないフェニックスルーム。
不定期開催を知らなかった方や歴史的な建築に興味のある方、さらにこのお部屋に素敵な思い出がある方など、ぜひ今のご時世だからこそ実現できた“幻”の機会をお見逃しなく!
ダイニングルーム フェニックス 概要
■ 開催日
不定期・予約不可 ※開催日程はホテル公式サイトにて確認可能です。→ 開催スケジュール
■ 所在地
神奈川県横浜市中区山下町10番地 本館2階
■ 営業時間
11:00~16:00(L.O.15:00)
■ メニュー内容(税・サ込)
<食事>
シーフードドリア 2,783円
スパゲティナポリタン 2,178円
ハンバーグステーキ(パン/ライス付き)3,085円
スープまたはサラダ+ドリンクセットは1,210円
<デザート>
プリン・ア・ラ・モード 1,633円
ピーチメルバ 1,573円
ショートケーキ 726円
バニラアイス 931円