横浜美術館「モネ展」の見どころは?モネへのオマージュや睡蓮だらけの章も
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横浜美術館で2018年7月14日(土)から「モネ それからの100年」がスタート。
印象派を代表する画家、クロード・モネの新しい魅力を再発見する展覧会で、モネの初期から晩年までの絵画25点と後世代の26作家による66点を一堂に展覧しています。
グランドギャラリーは巨大な《睡蓮》が描かれたフォトスポットになっており、展覧会場内は基本的に撮影禁止なので記念撮影はここで。
内覧会に参加してきたので、同展の見どころを紹介します。
※画像はすべて2018年7月13日の内覧会にて撮影。通常時は撮影不可ですのでご注意ください。
モネ展の見どころ
展示室は「1章 新しい絵画へ-立ち上がる色彩と筆触」・「2章 形なきものへの眼差し-光、大気、水」・「3章 モネへのオマージュ-さまざまな『引用』のかたち」・「4章 フレームを越えて-拡張するイメージと空間」の4章で構成されています。
1章はモネの初期の作品、2章は中期、4章は有名な《睡蓮》をはじめとした晩年の作品が並びます。
入口を入るとすぐに「睡蓮」が!クロード・モネ《睡蓮》1914-17年、群馬県立近代美術館(群馬県企業局委託作品)。
一部はガラスに覆われておらず、絵の具が厚く塗り重ねてある様子も間近に見ることができます。クロード・モネ《睡蓮》部分 1914-17年、群馬県立近代美術館(群馬県企業局委託作品)。
実は展示されている約90点のうち、モネの作品は25点。モネと後世代の作家との作品を同じ空間で展示し、時代を超えた結び付きを浮き彫りにする内容となっています。
1章展示風景
基本的に壁に色がついている箇所がモネの作品で白い箇所が他の作家の作品が展示されています(一部異なる箇所もあります)。クロード・モネ《モンソー公園》は8月17日までの展示で、8月18日からはクロード・モネ《サン=シメオン農場の道》に入れ替わります。
モネの作品とともに並ぶのは、絵画のみならず、版画・写真・映像など幅広い分野の現代アート作品。
3章展示風景
3章はモネの作品はなく、モネへのオマージュ作品が並びます。
左から、ロイ・リキテンスタイン《日本の橋のある睡蓮》部分1992年、国立国際美術館 © Estate of Roy Lichtenstein, N.Y. & JASPAR, Tokyo, 2018 E2965 / ルイ・カーヌ《睡蓮》1993年、ギャラリーヤマキファインアート © ADAGP, Paris & JASPA, Tokyo, 2018 E2935 / 堂本尚郎《連鎖反応-クロード・モネに捧げる》部分2003年、個人蔵。
モネっぽいけど違う作家の作品だったり「どこがモネへのオマージュ?」と疑問に感じる作品があったり…。
しかし展覧会全体を通して「モネ」が感じられ、モネの芸術の豊かさと普遍的な魅力が浮かび上がってきます。よい意味で裏切られる展覧会でした。
癒される!「睡蓮」だらけの展示室
4章はモネを象徴するモチーフ「睡蓮」の連作を中心とした、モネ後期の作品を展示。
合わせて「睡蓮」連作に見られる色彩、形態の反復、空間の拡張への志向などを切り口とした現代アート作品が並びます。
モネの「睡蓮」が並ぶ展示室は穏やかな時間が流れているようで、ずっとここにいたいと思わせてくれました。
4章展示風景
左から、クロード・モネ《睡蓮》1897-98年、個人蔵 / クロード・モネ《睡蓮》1897-98年頃、鹿児島市立美術館 / クロード・モネ《睡蓮》1906年、吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託) / クロード・モネ《睡蓮、水草の反映》1914-17年、ナーマッド・コレクション(モナコ)。
4章展示風景
右奥に並ぶ2つの作品は、現在活躍中のアーティスト・福田美蘭氏の新作。左:《睡蓮の池》2018年3月完成、作家蔵 / 右:《睡蓮の池 朝》2018年6月完成 作家蔵(横浜展限定出品)。
説明文を読めば作品への理解が深まる!
主な作品には、モネとのつながりがよくわかる説明文がついています。
また夏休み期間ということもあり、子ども向けに書かれた説明文も併記されていて、普段は「よくわからない?」とスルーしてしまう現代アート作品でも、じっくり観覧でき、理解できる工夫がなされています。
子ども向けに書かれた説明文。作品の注目ポイントがわかりやすく解説されています。
人気声優・櫻井孝宏さんの音声ガイドは必聴!
同展の音声ガイドのナレーターをつとめるのは、人気声優の櫻井孝宏(さくらい たかひろ)さん。この音声ガイドを聴きたいがために訪れる櫻井さんのファンも多いようです。
モネの遺した言葉を交え、わかりやすく案内してくれる“イケメンボイス”の音声ガイドは、ファンならずとも必聴。収録時間は作家インタビューを含めて約30分、音声ガイドの貸し出しは550円(税込)。
音声ガイドは展覧会入口にて貸し出されます。櫻井孝宏さんの語り掛けるようなやわらかな口調は、モネのふんわりした色彩にマッチしていると感じました。
会期後半は混雑必至なので、可能ならば早めの平日に時間をたっぷりとって観覧ください。
モネ展 開催概要
■ 名称
モネ それからの100年
■ 主な出品作家
クロード・モネ/マーク・ロスコ/アンディ・ウォーホル/ロイ・リキテンスタイン/サム・フランシス/ルイ・カーヌ/松本陽子/福田美蘭/鈴木理策/丸山直文 ほか
■ 会期
2018年7月14日(土)~9月24日(月・休)
■ 会場
横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3-4-1)
■ 休館日
木曜 ※ただし8月16日は開館
■ 時間
10:00~18:00 ※入館は17:30まで、9月14日(金)・15日(土)は20:30まで
■ 料金
一般1,600円、大学・専門学生1,200円、中学・高校生600円、小学生以下無料 65歳以上1,500円
※毎週土曜日は高校生以下無料(要生徒手帳、学生証)、観覧当日に限り本展の観覧券で「横浜美術館コレクション展」も観覧可
■ 公式サイト
http://monet2018yokohama.jp
■ 施設概要