横浜赤レンガ倉庫2号館近く、赤レンガパークに復元・保存されている歴史的建造物「旧横浜港駅プラットホーム」。
横浜港駅は新港ふ頭と当時の横浜駅(現在の桜木町駅)を結ぶ「横浜臨港線」として明治43年(1910年)8月15日に開通し、明治44年(1911年)に横浜税関構内の荷扱所として開業。大正9年(1920年)7月23日に正式に駅「横浜港駅(よこはまみなとえき)」となりました。
東京駅から初の汽船連絡列車が乗り入れ、横浜港が目の前という立地から横浜港駅に到着する列車は「岸壁列車」とも呼ばれていたそうです。
大正時代には貨物用の線路を使って海外渡航者向けの旅客列車「ボート・トレイン」も発着し、そのボートトレインの旅客用プラットホームの名残こそが赤レンガパークに保存されているプラットホームなのです。
昭和3年(1928年)当時の花形外航ターミナルにそって横浜港駅のプラットホームが設けられ、海外航路時代の最盛期を迎えることとなりました。
汽船連絡列車としての役目を終えたプラットホームは赤レンガパークの休憩所として保存・活用、横浜臨港線の廃線跡と鉄橋は歩行者専用遊歩道「汽車道」として整備され、市民からも観光客からも人気のスポットとなっています。

歩行者専用遊歩道「汽車道」

ウッドデッキ改修時に公開された汽車道に残る線路
赤レンガパークで見学できるプラットホームは保存再利用のため、位置はそのままで長さを短縮、傷んでいた上屋は新素材で復元されました。
1965年(昭和40年)年には新港ふ頭と山下ふ頭を結ぶ「山下臨港線」も開通。
山下臨港線は1986年(昭和61年)年に廃止となりましたが、現在は横浜赤レンガ倉庫1号館の先、新港橋(象の鼻テラス近く)から山下公園までを結ぶ山下臨港線プロムナードとして整備されています。